やっと入ってきた新人保育士!「今年はどんな新人かな」と楽しみにしていた先輩保育士たちも、いつの間か『使えない…』と嘆く声が…。しかしそのままでは新人は育ちません!

「どう接すればいいの?」「どうしたら仕事ができるようになる?」そんな悩みを抱えている先輩保育士は多いはず!
私は会社員からキャリアチェンジをし、保育士になりました。独学で資格を取得したため、実戦経験はゼロ。私も『使えない新人保育士』だったと思います…。
そんな元使えない保育士の私が『使えない』と言われる新人保育士を5つのタイプに分類。分類別にどんな接し方がいいのか、どんな声掛けがいいのかを解説していきます!
これを読めば明日から新人保育士に対してどう接していくかのヒントになりますよ。
新人保育士がどのタイプに当てはまるか探してみてくださいね!
指示待ちタイプ

おやつの時間になりました。黙ってずっと立ち尽くす、何をしていいのか分からず、きょろきょろしている。
そんな新人いませんか?
『指示待ちタイプ』の特徴。どのような接し方がベストかご紹介します。
自分で判断できず、何をすべきか指示を待つ→最初は具体的なタスクを細分化して伝える。
「おやつ用のスプーンを用意してね」
「子どもたちの手洗いについててね」
「このテーブルの子どもについてね」
丁寧過ぎるかな?と思うぐらい具体的に指示をしてあげましょう。何もしないで立っているより役に立つ方がいいですよね!

些細なことでも「これをしていいですか」と確認してくる→簡単な場面で「どう思う?」と尋ねて、自分で考える癖をつけさせる。
「今日の活動どうだった?」
「〇〇ちゃんの行動どう思う?」
「〇〇くんどんな気持ちだったかな?」
どんな内容でもいいので、考えを聞く機会を作りましょう。自分で考える訓練です。

自分の役割を理解していない→全体像を伝えながら、役割を明確に伝える。
「わたしは砂場の子どもを見るので、あなたは滑り台で遊ぶ子どもがケガしないように見ててね」
「わたしは全体の補助に回るので、あなたは〇〇ちゃんの食事の補助をしてね」
「わたしは床に座っている子どものそばにつくので、あなたは座っている子どもが椅子でケガをしないよう声掛けしてね」
これは私、これはあなた!と役割をわかりやすく伝えるようにしましょう。

ミスを繰り返すタイプ

朝の受け入れ時、保護者に言われたことを担任へ伝え忘れてる。昨日もだったよな…。
そんな新人いませんか?
『ミスを繰り返すタイプ』の特徴。どのような接し方がベストかご紹介します。
同じミスを何度もしてしまう→ミスが起きた経緯を振り返り、原因を本人と一緒に確認する。
「どんな状況だったかな?」
「またミスしないためにどうする?」
「私はこうしてるよ。」
あくまで責めないことが大切。でもなかったことにしないで、冷静に話をしましょう。

忙しい場面ではパニックになることが多い→例えば「手順をメモする」「わからないときは聞く」といった対策を教える。
「私もいるから焦らなくていいよ」
「手順を確認してからやろうか!」
「間違うより、聞いた方がいいよ!」
大きな間違いをされると大変です!その前に優しく声をかけてあげましょう!

自分で反省するが、改善に繋がらない→改善策を実行できているか定期的にフォローし、安心感を与える。
「改善策実行できてる?」
「次は間違わないよう期待してるよ!」
「改善できないようなら相談のるよ」
前向きな声がけをしてあげてください。改善できないだけで、反省はしているはず!

消極的でコミュニケーション不足タイプ

必要最低限の挨拶しかせず、保護者との距離が縮まらない。せっかく2人担任なのに、保護者はこっちにばっかり来るじゃん!
そんな新人いませんか?
『消極的でコミュニケーション不足タイプ』の特徴。どのような接し方がベストかご紹介します。
子どもや保護者とのコミュニケーションが苦手→まずは挨拶や報告、感想を伝える練習をさせる。
「今日は〇〇ちゃんの保護者にこれを伝えて」
「今日は全保護者と天気の話をしてみよう!」
「毎日子どものかわいいエピソードを見つけてみて」
まずは会話をする練習をしてもいいですね。テーマを与えて、自ら保護者に話しかける課題を出してもいいですね。

自分の意見をあまり言わず、現場で孤立しがち→慣れている先輩と一緒に作業をさせ、自然な会話の場を増やす。
「疲れてない?」
「〇〇ちゃん、今日こんなことしていたよ」
「今日の行事どうだった?」
世間話をしながら、質問を投げかけてみましょう。些細なことから、会話を増やしていきましょう。保育士間で会話が増えると、保護者との会話も増えるかも。

周囲から「何を考えているかわからない」と言われる→定期的にコミュニケーションを取る機会をつくる。
「次はどんな遊びがいいかな?」
「子どもたち楽しんでたかな?どう思う?」
「やってみたいことある?」
なんでこっちから話しかけないといけないの!と思う先輩もいるかもしれませんが、辞めちゃうよりいいですよね。気長にじっくり育てましょう。

体力・精神面でバテやすいタイプ

今日休み?!何回目?
そんな新人いませんか?
『体力・精神面でバテやすいタイプ』の特徴。どのような接し方がベストかご紹介します。
保育士の仕事に慣れておらず、体力が持たない→最初から多くの業務を与えず、少しずつ慣らしていく。
「ちゃんと朝ご飯食べた?今日も頑張ろうね!」
「少しずつ覚えてね」
「難しい時は言ってね」
この前まで学生だったと思ってあきらめて、少しずつ強くなってもらいましょう。「〇月までにはできるようになって欲しいな」ぐらいは伝えてもいいですね。

ストレスを溜めやすく、仕事中に疲労や感情的な反応が見られる→疲れている場合は、無理をせず短時間でも休むよう声をかける。
「疲れてる?」
「仕事だからもう少しだけ頑張ろう」
「少し休む?」
私は新人の時、そんな優しい言葉かけてもらってない!と思う人もいつかもしれません。いつか自分の負担が軽減できるよう、今は新人を育てるときなのです。

突発的なトラブル対応で精神的に参ってしまうことが多い→困った時に相談できる体制があることを新人に伝え、不安を軽減する。
「困ったときには言うんだよ」
「わからないことはみんなで考えよう」
「一緒に園長に話にいこうか」
新人のトラブル。見て見ぬふりをしておくと、大事になることも…。だったら相談してもらった方がいいですよね。新人が病んで急に休むのも困ります。先輩の優しい一言で、ホッとする新人もいますよ。

理解力が遅く、学びに時間がかかるタイプ

さっき説明したけど意味わかった?違う場面になるとダメじゃん!
そんな新人いませんか?
『理解力が遅く、学びに時間がかかるタイプ』の特徴。どのような接し方がベストかご紹介します。
一度教えたことをすぐに忘れてしまう→口頭での説明だけではなく、手順書やマニュアルを準備し、視覚的に理解を助ける。
「手順を整理してみようか」
「あとで整理して分からないことあったら聞いてね」
「書いて説明するね。…こうやって…こうして」
当たり前ですが、目の前でメモを取らせましょう。きっとメモするスピードも遅いはず。重要なポイントの時には、じっくり話す時間を取れるといいですね。そんな時間ないよーと聞こえそうですが…。

作業の手順やルールを覚えるのに時間がかかる→一度に多くのことを教えず、重要なポイントから順に学ばせる。
「何かに書いておく?」
「この次は何するべきかわかる?」
「これ重要だよ!」
実践して覚えることも大切ですが、何度も教えられないですよね。ルールや手順は、書いて貼っておいてもいいですね。「これ見てやってね」もいいかも。

自分のペースで学びたいが、それが現場のスピードに合わない→一方的に教えるだけでなく、質問を投げかけて理解度を確認しながら進める。
「わからないところある?」
「午後にもう一度質問するから覚えておいてね!」
「今日これだけは覚えよう」
学ぶ姿勢はあるんです。ただ遅いだけなんです。そこは理解してあげてください。

まとめ:使えない新人保育士どうする?

使えない新人保育士と接するのは、時に忍耐を試されることもあります。しかし、どの新人にも成長する可能性があり、接し方一つで未来は大きく変わります。
- 指示待ちタイプ
- ミスを繰り返すタイプ
- 消極的でコミュニケーション不足タイプ
- 体力・精神面でバテやすいタイプ
- 理解力が遅く、学びに時間がかかるタイプ
それぞれに共通しているのは、気長に見守ることだと思います。周りが「早く!早く!」と焦っても急な成長は難しいですよね。一歩ずつ確実に成長できるよう手助けしていきましょう。
今回ご紹介した5つのタイプ別接し方を参考に、それぞれの特性に合った指導を試してみてください。
小さな成長が見えた時、指導する側としての喜びを感じられるはずです。新人保育士の未来を、一緒に育てていきましょう!